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なでしこジャパンが、王者ドイツを撃破。
9日、ドイツ・ヴォルフスブルクで行われた、サッカー女子W杯準々決勝は、日本がドイツを延長戦の末、1-0で勝利。日本は0-0で迎えた延長後半3分、澤穂希からのパスを受けた途中出場の丸山桂里奈が決勝点をあげました。
正直、延長戦に入っても、日本が勝つとは思わなかったんです。ひょっとしたら、PKで勝てるかもしれない…でも、やはり無理だろう…としか予測できなかった。というか、これだけ戦えれば充分だし、終わったら、結果はともかく、心から拍手を送ろう…そう考えていたんです。
ところが、結果は、なでしこジャパンの勝利でした。
試合を録画で観戦しわり、感じたのは、私が見たのは、「サッカーを超えた何か」だったということ。
ドイツはさすがに世界一の実力を誇るといわれるだけに、日本の良さである中盤をおさえつつ、個人の突破力と高さ&パワーで押してきました。
一方のなでしこジャパンは、ドイツ相手では、華麗な中盤は機能しないので、苦戦をしいられる展開に。
しかし日本は、気迫ではむしろドイツを上回り、体を張ったプレーで応戦。
美しいショートパスを封じられた日本でしたが、勝気を全面に出して、泥臭いサッカーでドイツを精神的に追い詰めました。
正直、力はドイツの方が上です。速いパスワークで崩せるほど、ドイツはやわなチームではありません。
でも、勝利の女神は、なぜか日本に微笑みました。
まさか、彼女たちは根性だとかガッツで勝利を勝ち取ったなどと言うつもりはありません。
技術のアップ、戦術の徹底、そして選手たちが実戦の経験を積んで、たくましくなり、激しい試合の中でも冷静さを失わなかったから、あれだけの戦いができたのです。
個々の選手も個性豊かで、自分の役割を潔いくらいに果たしていました。
でも、それだけでは、強豪ドイツには、勝てないと思うのですね。
つきなみな言葉ですが、なでしこジャパンには、常軌を逸した「ひたむきさ」がありました。というか、彼女たちは欲を捨てて「無」になっていた気がするのです。
日本人は全体に衰弱し、精神的にも力を失っているはずだったのに、どこから、あんな力が湧いてくるのか、わからないくらい、なでしこジャパンは力強かった。
不思議です。スポーツの神様は必ずといっていいほど、無心になった選手(たち)に微笑みかけます。
それにしても、このなでしこジャパンの健闘には、感服しないではあれません。
ジャンルが何であれ、世界の舞台で、技術というより、精神的な何かで、相手を上回ったなどということは、もう久しくなかったことではないでしょうか。いや、こんな溌剌とした日本女子は、見たことない。
ドイツの地で、なでしこが、華麗さを捨てて、泥臭く舞った。それがまた、とてつもなく美しかった。
何だか、もうW杯は終わったような感じですが(笑)、まだ準々決勝が終わったにすぎません。
これからも、へたな「欲」を出さずに、なでしこジャパンらしい小気味の良いサッカーを見せてほしいものです。