今日は起きた時から偏頭痛がしていて、ちょっと辛い一日でした。
有象無象、さまざまイメージや感情が渦巻き、泡立っていて、いろんなことがやりたいのに、結局は何も手につかないということはありませんか。
そういう時、私はできれば自分を真っ白な場所に置きたいと思います。心の洗濯はとても難しくて、洗いざらしの綿シャツみたいには、なかなか真っ白になってくれません。
苛立つ気持ちを抑えきれないでいたら、ふと一枚のアルバムが想い浮かびました。かなり古いCDですから、もう失くしてしまったのではないかと思いましたが、運よく本棚の隅にありました。
これがそのアルバム。
Wong Wing Tsan ウォンウィンツァン / 童謡 Doh Yoh Vol.2 【CD】
さっそく聞いてみました。
不思議です。あれほど辛かった頭痛が消えてしまいました。
日本の童謡を、ウォンウィンツァンが、ピアノで演奏するアルバムで、現在は3まで出ています。
このアルバムは友人のデザイナーに奨められて10年以上も前に買ったのですが、今聴いてみて、初めてこのアルバムの本当の魅力を知りました。
Wong Wing Tsan(ウォンウィンツァン)自身、「童謡には不思議なひかりが宿っている」と語っていますが、確かに、私もその「ひかり」を、このアルバムを聴くことで感じることができました。
ただ、その光の訪れ方が、神秘的です。
人の気配のない夕暮れ時のような静けさ。やがて、闇に包まれてしまう。その闇の中から、幻灯機で映し出されるように、その「ひかり」は音もなく、私の心の中に立ち現われたのでした。
このCDには以下の曲が収録されています。
1.うみ /2.知床旅情/3.赤トンボ /4.紅葉 /5.春が来た/6.しゃぼん玉 /7.野ばら /8.宵待草 /9.しゃぼん玉
日本人ならば知らない人はいない、そんな懐かしい曲ばかりです。それがウォンウィンツァン独自のアレンジで、時に原曲からは大きく離れたかと思うと、また知らぬ間に懐かしい場所に連れ戻されてしまいます。
おそらくは、ほとんどウォンウィンツァンのピアノ演奏だけで構成されているのが良いのだと思います。
音に癒されるというより、「ひかり」によって、安らかな気持ちになれました。