日本でも大人気の韓国ガールズグープ「少女時代」。どうしても、ダンスに目がいきがちですが、歌唱力でファンの気持ちをつかむタレントも在籍。それがキム・テヨン(Kim TaeYeon)で、数々のOSTでその歌唱能力を発揮し、ファンの幅を広げているらしい。
と書きつつも、ちょっと躊躇する気持ちがあるのですね。
というのは、当ブログでは、韓国の女性ソロシンガーを取り上げてゆきますが、「キッチリ歌を聴かせる歌手」即ち「歌唱力のある実力派」を中心にするつもりです。
で、ほとんどアイドルというか、いえ、アイドルそのものの「少女時代」テヨンを紹介して良いものだろうか(笑)。
まあ、歌は聴いた人が良ければそれで充分なわけですが、アイドルグープ「少女時代」のメンバーであるので、テヨンの歌唱力は本物なの?という疑念を抱いている人もいるのではないでしょうか?
韓国音楽サイト・モンキー3が行ったアンケート「ドラマOSTの女王は」という質問で、テヨンが1位に選ばれています。総数740人中52%の385人がテヨンを推したとか。
『ベートーベン・ウイルス』は、現在もBSで再放送されているので、テヨンが歌う「聞こえますか」は番組内で聞けます。
ここぞというところに流れてくるので、OSTのメイントラックと呼んでいいのではないでしょうか。
確かに、「聞こえますか」は良いですね。
ただ、疑うわけではないのですが、「聞こえますか」は歌そのものが良いので、誰が歌っても「うまく聞こえてしまう」とも考えられるのですね。
実際に、女子フィギュアスケートのキム・ヨナも「聞こえますか」を歌っているんですが、かなり「うまい」です。
その動画は以下でご覧ください。
やはり、テヨンは、アイドルの中では確かに歌はうまいけれども、頭に「アイドルの中では」という但し書きが必要なのではと思いかけたのですが……
しかし、『快刀 ホンギルトン』のOST「もしも」を聴いて、これはもう、本物だと確信しました。
「快刀 ホンギルトン オリジナル・サウンドトラック [ (オリジナル・サウンドトラック) ]」に収録されています。
こちらはライブですけれど、まったく音程をはずしません。
本物という意味は、バラード以外の幅広いジャンルに対応するとか、名曲を巧みにカバーできるとかいうことではなく、正直、テヨンの場合は、それについては未知数です。
でも、「聞こえますか」「もしも」そして、『アテナ 戦争の女神』の「愛してます」を聴くかぎり、ツボにはまった時は、特に高音部の透明感と、やや抑え気味の感情注入術は、他の実力派歌手に負けない魅力があります。その意味で確かな存在価値があり、「本物」だと言いたいのです。
テヨンの魅力は、歌唱力というよりも、感性ですね。その歌声は、肉声というよりも、風の音、風に震える木の葉の音を想わせます。感性がピュアなので、自然が生み出す自然の音に、歌声がなりきってしまっているという感じ。
音は震動、つまり、震えです。テヨンの声は感性の震えなのです。
ちょっと誉めすぎでは…という人が出てきそうです。正直、私のテヨン評には、私の創作が入っているかもしれません。でも、音楽を聴く側は、その時の心境で、歌声に触発されて、自由に物語の中に遊べる特権を持っています。
テヨンの歌唱は、純粋な物語空間に聴取者を一瞬にして誘い入れる力を持っており、それは素晴らしいことだと素直に認めたい気分なのです。
これからも、「少女時代」のテヨンが、ドラマOSTに参加したと聞けば、必ずチェックすると思うし、それくらい、人を引き付ける「何か」をテヨンは持っていますね。ファンが増えるのは当然です。
韓国の芸能界は厳しいという説もあるので、ピュアな感性をずっと保ち続けてほしいものです。