西河克己監督は、1959年には以下の5本の映画を撮っている。
不道徳教育講座
絞首台の下に
若い傾斜
風のある道
無言の乱斗
今日ご紹介するのは「若い傾斜」である。
日活が青春路線に舵を切る前だから、硬質な人間劇が楽しめる。
川地民夫・浅丘ルリ子・清水まゆみ・赤木圭一郎のカルテットが鮮やかに光り輝いている。
脇役の俳優も芸達者ぞろいで、作品として締まっている。
それにしても、西河克己監督の力量は大したものだ。商業主義にどっぷり浸かって、大量に映画を生み出したが、作品の随所にセンスの良さが光っている。