映画「黒い画集 ある遭難」をアマゾンビデオで鑑賞しました。
原作は松本清張の小説「遭難」。映画「黒い画集 ある遭難」は、1961年6月17日に公開されました。
結論から言いますと、これは見る価値のある映画です。
「ある遭難」というタイトルを見た時、あまり見たいという気持ちが起きませんでした。
しかし「黒い画集」シリーズの他の2作「黒い画集 あるサラリーマンの証言」「黒い画集 第二話 寒流」は、いずれも非常に面白かったので、「これもたぶん見応えあるだろう」と、鑑賞に至った次第です。
タイトルは地味ですが、最後までグイグイと引っ張られました。そして、ラストの衝撃……。
山岳ミステリとして、非常によくできている。犯行の動機は、やはり男と女のもつれ。
松本清張がしばしば犯罪の動機として描くテーマですが、登山している時に事件が起きるという設定と展開が絶妙でした。
山岳ミステリは、非常に新鮮であり、人間の心理描写も決して浅くはありません。それだけに、松本清張の小説を映画化した作品の中でも、優れた部類に入ると思います。