久しぶりに映画を鑑賞した。体調がまだ完全ではないので、何度か休憩をはさみながらも、最後まで存分に味わえた。
無垢なる証人
2020年1月24日(金)公開 / 上映時間:129分 / 製作:2019年(韓国) / 配給:クロックワークス
<キャスト>
チョン・ウソン『私の頭の中の消しゴム』『アシュラ』
キム・ヒャンギ『神と共に』シリーズ
イ・ギュヒョン『キム・ソンダル 大河を売った詐欺師たち』
チャン・ヨンナム『コンフィデンシャル/共助』
ヨム・ヘラン『国家が破産する日』
<スタッフ>
監督:イ・ハン『戦場のメロディ』/撮影:イ・テユン『アジョシ』/編集:ナム・ナヨン
音楽:チョ・ヨンウク『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』
質が高い。映画作品としての完成度の高さ、そこに流れる格調ある精神的な調べには、打ち負かされるほどの強さを覚えた。
これが、本来あるべき映画の姿だ。
主演はチョン・ウソンだが、この俳優のセンシティブな演技は好きである。
私と相性が良いのか、チョン・ウソン出演映画は、すべて好きだ。
天才子役と評価されるアキム・ヒャンギの演技力にも驚かされた。
現在の日本では外交問題から韓国を苦手にしている人が多いが、映画においては、日本映画とは比較にならないほど中身が濃い。
技術面でも、カメラワークと音楽という映画の大事な要素が、数段、日本映画より上である。
改めて思うのだが、作品づくりには、執念にも似た追求心が必要であり、執念が燃えていない作品には輝きがない。
日本人はずっと大切なものを手放してきたが、その一つが「執念」かもしれない。
肝心なこの作品の中身だが、素晴らしいの一語に尽きる。
中でも主演のチョン・ウソンの精細で抑制された表現力が際立っていた。
テーマは傷ついた魂の再生である。
テーマも、映画としての表現力も申し分なかった。