高田豐志命さんという19歳の青年が遺した短歌をご紹介。

 

夕風に心淸めて祈るかな

永久(とは)に幸(さち)あれ敷島の國

 

父母(ちちはは)の無事に居ますといふ便り
再び仕へむ時はなけれど

 

便りだす時し偲ばゆ古里(ふるさと)の
母たそがれて仕事終へしか

 

高田豐志命さんは、昭和20年5月、19歳の若さで、特攻戰死されました。

 

以上の3首は「大東亜戦争殉難遺詠集」に収められています。

 

3首とも戦争に服役中に詠まれたもの。死を覚悟した若者の清冽な魂が、気負うことなく、静かに歌っているために、感動が純粋に沁み渡ります。

 

凛々しく、澄んだ心を抱いた若者の短歌から、汚染され過ぎた私たち現代人が学べるものはあまりにも大きいと言わねばなりません。