白痴の[第一編2]の分析
ムイシュキン、ロゴージン、ナスターシャの次に重要なのが、アグラーヤである。
アグラーヤは、エパンチン家の三女なので、エパンチン将軍についての説明が、この章では行われる。
エパンチン将軍夫人は、ムイシュキン侯爵家の出である。
アグラーヤに関する説明も、この章でされる。
身寄りのないムイシュキンは、そういうつながりから、平たく言えば、遠い親戚にあたる、エパンチン将軍を訪問する。
ムイシュキンはエパンチン将軍を訪ねるが、なかなか会えない。待ち時間に、いきなりドストエフスキーは伝家の宝刀を抜く。
それは、登場人物の長い独白である。正確に言うと、それは会話なのだが、演説にも似た、怖ろしく長い会話でもあり、ほとんど独白に近いのだ。
この章では、ムイシュキンは「ギロチン」に関する自分の考えを、とうとうと述べる。
この独白では、肉体的な苦痛よりも、精神的な苦痛の方が大きいということを力説している。
こうした現実にはあり得ない、長い、冗長すぎる会話が、ドストエフスキーの小説の特徴であり、他の作家にない魅力である。
白痴の[第一編3]の分析
エパンチン将軍とムイシュキン侯爵の対話、そこにガーニャが加わる。この物語の複雑な人間関係が説明される。
登場人物 人名対照表
| 本名 | 愛称 | |
|---|---|---|
| レフ・ニコラエヴィチ・ムイシュキン | ムイシュキン公爵 | 主人公、26歳 |
| ナスターシヤ・フィリッポヴナ・バラシコーワ | ナスターシャ | ヒロイン |
| パルフョーン・セミョーノヴィチ・ロゴージン | ロゴージン、パルフョン | 体格のよい男 |
| アファナーシィ・イワーノヴィチ・トーツキイ | トーツキイ | 地主貴族 |
| ニコライ・アンドレエヴィチ・パヴリーシチェフ | ムイシュキンの養育者 | |
| アンチープ・ブルドフスキー | パヴリーシチェフの隠し子 | |
| シュナイダー | ムイシュキンの主治医 | |
| イワン・フョードロヴィチ・エパンチン | エパンチン将軍 | 実業家、トーツキイと親密 |
| リザヴェータ・プロコフィエヴナ | エリザヴェータ夫人 | エパンチン三姉妹の母 |
| アレクサンドラ | エパンチン三姉妹の長女 | |
| アデライーダ | エパンチン三姉妹の次女 | |
| щ | シチャー | アデライーダの婚約者 |
| エヴゲーニィ・パーヴロヴィチ・ラドムスキー | シチャーの親戚 | |
| アグラーヤ・イワーノヴナ・エパンチナ | アグラーヤ | エパンチン三姉妹の三女、20歳 |
| ガヴリーラ・アルダリオノヴィチ・イヴォルギン | ガーニャ | エパンチン家の秘書 |
| ワルワーラ・アルダリオノヴナ | ワルワーラ、ワーリャ | ガーニャの妹 |
| ニコライ・アルダリオノヴィチ | コーリャ | ガーニャの弟 |
| アルダリオン・イヴォルギン | イヴォルギン将軍 | ガーニャの父 |
| マルファ・ボリーソヴナ | イヴォルギン将軍の情婦 | |
| ニーナ・アレクサンドロヴナ | イヴォルギン夫人 | ガーニャの母 |
| フェルディシチェンコ | 夫人の下宿屋の下宿人 | |
| イワン・ペトローヴィチ・プチーツィン | プチーツィン | 高利貸し |
| ダーリヤ・アレクセーエヴナ | 元女優 | |
| レーベジェフ | 役人 | |
| ヴェーラ | レーベジェフの娘 | |
| ウラジーミル・ドクトレンコ | ドクトレンコ | レーベジェフの甥 |
以上の表は以下のページからお借りしました。
