映画「第七のヴェール」は1945年に製作されたイギリス映画。
監督:コンプトン・ベネット
脚本:ミュリエル・ボックスシドニー・ボックス
出演者:アン・トッド、ジェームズ・メイソン、ハーバート・ロム、ヒュー・マクダーモット、アルバート・リーヴェン
名作映画というものは、見終わった時、理屈などは吹っ飛び、無心で拍手喝采してしまう作品を指すのだと思う。
まさに、その意味で、名作映画に価するのが、この映画「第七のヴェール」である。
劇中で演奏されるクラシック音楽の素晴らしさ、曲名はすぐに浮かばないが聴いたことがある名曲ばかりだ。すべての楽曲名を知りたいが、調べるのは野暮かもしれない。
感心したのは、アン・トッドのピアノ演奏シーンだ。本人が弾いているとしか見えない。こういうリアリティは大切だと思うのだが、アン・トッドは実際にピアノが弾けるのだろうか、そこも知りたいところだ。
淀川長治先生がご存命(ぞんめい)なら、ぜひとも、質問してみたいのだが……。
と言いつつ、映画音楽に関する説明文を、ウィキペディアから引用しておくことに。
映画音楽はベンジャミンフランケルによって書かれました(クレジットベン・フランケルとして)ショパン、モーツァルト、ベートーベンのオリジナルピアノ作品、およびグリーグと<29の一部>ラフマニノフ第2回ピアノ協奏曲。クレジットに名前が載っていない
アイリーン・ジョイスは、サウンドトラックでトッドの代わりをしたピアニストでした。彼女はまた、トッドが練習するための短編映画を作り、腕の動きでトッドを個人的に指導しました。すべてのクローズアップで見られるのはジョイスの手です。
さて、主演女優のアン・トッドは、ヒッチコックの名作映画「レベッカ」で主演した、ジョーン・フォンテインとよく似ている。
人の印象とは怖ろしいもので、アン・トッドとジョーン・フォンテインは、瓜二つだと私は思い込んでいて、この思い込みはまだ解けていない。
二人とも、心理劇を見事に演じ切れる表現力を有している。
この映画を視聴して感動してしまった私は、心理劇が大好きだということに、今さらながらに気づかされた。