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美しい言葉

荒川静香のイナバウアーの意味(2006年トリノ五輪)


荒川静香がトリノ五輪のフィギュアスケート、女子シングルで、金メダルを獲得したのは2006年ですから、もうかなり前のこと。

ついこの間の出来事のような感じもしますが、月日のたつのは本当に早いですよね。

ふとしたことから、久しぶりに、トリノ五輪の女子フリー、荒川静香の演技をYouTubeで見ました。

Shizuka Arakawa Olympic FS (NBC)

もう、英語放送しか出ていないようです。英語の放送も良いですね。

 

荒川静香といえば、やぱり「イナバウアー」が思い浮かびます。

荒川静香のイナバウアーは、上体を後ろに大きくそらせますが、イナバウアーという技は実際には、足を前後に開き、つま先を180度開いて真横に滑る技を指し、後ろ状態をそらせる技は「レイバック」と呼ぶそうです。この記事の読者から指摘をいただきましたので、お詫びして訂正いたします。

イナバウアーは、1950年代に活躍した旧西ドイツの女性フィギュアスケート選手、イナ・バウアーが開発したのでその名が冠された(参考元:Wikipedia)」とか。荒川静香の得意技はその状態のそり方に特徴があるので、「レイバック・イナバウアー」あるいは「静香スペシャル」と呼ぶべきでしょうか。

まあ、私が伝えたいことと、技の呼び方はあまり関係ないので、この記事でも荒川静香の得意技を「イナバウアー」と呼ぶことにします。

 

ところで、トリノ五輪の開催前に採点方法が変更になって、「イナバウアー」は加点対象にならくなり、荒川静香が、五輪の直前、この得意技を演技に組み込むか否か悩んだ話は有名ですよね。


結局は、自分らしさをアピールするとともに、観客に訴えたい(伝えたいことを伝える)ために、点数は無視して、「イナバウアー」をプログラムに組み込むことを決心。本番ではものの見事に演じきって、観衆の喝采を浴びました。

驚いたことには、イナバウワーを演じている時、荒川静香を笑みを浮かべていたんですね。本当に幸せそうな満ち足りた微笑でした。

もう、勝ち負けとかどうでも良い、その境地に、荒川は到達していたのですね。


結果、金メダルでした。


そのフリーの演技は、何度見ても、鳥肌が立ち、涙をこらえることができません。


前半のほぼノーミスの演技も見事ですが、実は、イナバウアーから、ステップに入り、スピンで締めくくるまでの時間にこそ、神がかり的な美しさがあるだと私は思います。


特に、そのステップ。


滑る素晴らしさを噛みしめるようでもあり、また祈りをささげているようでもあり、最後は歓喜の歌を歌っているようでした。


こんな美しすぎるステップは、見たことない!


私は何が言いたいのでしょうか。


荒川静香にとって、イナバウアーとは何だったのか。


イナバウアーから、ラストまでの荒川の演技は、パフォーマンスの完成度というより、高い精神性が感じられて、何か、極めて大切な宝物を見る者に贈りとどけてくれている気がしてならないのです。


加点されないけれど、自分らしさの象徴であり、スケートの醍醐味である美しさのシンボルであった決め技を披露して、荒川静香は、完全なる荒川静香になり、

そして、さらには、無の境地にまで達してしまった。

得点にならない技を演じると決断し、そこに「ゆとり」が生まれ、スケートの神様を呼び寄せことに成功した。


トリノ五輪はもう遠い過去となりましたが、荒川静香のあの演技は今もなお永遠の輝きを放っていますね。


唐突かもしれませんが、ブログによって何か表現してゆく、私たちブロガーも、荒川静香から、学ぶべきものは相当に大きいと感じるのですが、いかがでしょうか。


誰かに今、「あなたにとってのイナバウアーは何ですか?」と質問されたら、あなたは、どのように答えますか?


荒川静香がイナバウアーの時に浮かべた笑顔は、こちらの動画でアップになっています。

荒川静香 イナバウアーへの想い

美しい日本語で書かれた作品をまとめました。

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