今日の風花未来の詩は「永遠の瞳」です。

 

永遠の瞳

 

あの日

あそこで

 

あ!

 

声にならない声で

私は叫んでいた

 

驚きが

測量不能な速さで

私の心の中を

駆け巡った

 

その時

私は

何に

どのように

なぜ

驚いたのか

気づかなかった

気づく時間も

心のゆとりもなかった

 

あ!

 

確かに

あの時

あの場所で

私は胸の奥で

叫んだ

 

ほんのわずかな時間

かわした言葉は

ひとこと

ふたこと

なのに

どうして

いったい何が

起きたのだろう

 

そう

たしかに

あなたの瞳が

輝いた

あの一瞬が

永遠になったのだ

 

あなたの瞳

一点の曇りもない

幼子のような

澄みきった

蒼い瞳

 

穢れと

汚濁と

嘘八百が

うずまく

この世の中で

生きていながら

なぜ

どうして

何が功を奏して

そんな

一点の濁りもない

瞳で

人を

命を

そして

目の前の私を

まっすぐに

見つめられるのか

 

あの澄み切った

一点の穢れもない瞳を

私は見つめた

そして

見つめられた

 

生きてゆくのに

これだけで

もう充分なのだ