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風花未来の今日の詩は「スワンと天の川」です。

 

はじめて わたしが

スワンに逢ってから

もう 一年いじょうも経った

 

あの日から

スワンの蒼みをおびた

澄み切ったまなざしに

どれほど 癒されたことだろう

 

スワンは昇天してしまったのか

 

わたしは夜空を見あげながら

想いをめぐらす

 

スワンの去った後の気配

微妙に空気がゆらめく

ふしぎな余韻は

希望の星ぼしの

瞬きの音かもしれない

 

今日 わたしは

想いもよらないなことに

ようやく気づいた

 

あれほどまでに

美の化身と対面し

あれほどまでに

たくさんの語らいを

交わしてきたはずなのに

 

スワンの言葉を

ひとつも想い出せない

 

そして

なぜ わたしが

あの純白の光を発する

あの白鳥の言葉を

想い出せないのか

その答えに気づいた時

 

魂の奥のおくで

鋭い鈴の音のような

流れ星が流れる音のような

透明すぎる声音がきこえた

 

スワンとわたしは

実は 一度として

言葉を交わしたことがなかったのだ

 

ただ わたしは

スワンの真っ白なオーラを

観ていただけなのだ

 

ましろき光をまとって

スワンはいつも

音もなくあらわれた

 

スワンは天の川のようなオーラを

描きながら

わたしの前を通りすぎたこともあった

 

天の川 そう

無数の星ぼしの光の点を集めた

天空にあわわれるはずの

あの乳色の帯に似た

不可思議なオーラの帯を描きつつ

わたしの前を

神の鳥のように渡って行った

 

また スワンに逢えるだろうか

もしも 逢えたら

ただ ただ 純白のオーラを

浴びていようと思う

 

言葉は いらない

光だけでいい

 

スワンの発する光に

何もかもを忘れて

照らされていたい

 

もう一度だけでもいい

あの天の川を

見つめてみたい