今回の風花未来の詩は「愛を封印したら」です。
愛を封印したら
愛することをやめたら
三日と生きられないと知った
人は空気が薄くなると
息苦しくなり
空気がなくなると
死んでしまう
愛には
いろんな種類があるけれど
どんな愛でも
人には必要だ
生きる力の源泉
それが愛だと気づいた
利他愛
自己愛
愛欲
敬愛
友愛
家族愛
郷土愛
恋愛
偶像崇拝の愛
幻想の愛
憧れの愛
疑似恋愛
純愛
精神的な愛
無償の愛
無条件の愛
慈愛
博愛
そして
わたしが
たどり着いたのは
まどか愛
まどか とは
愛が満ち満ちて心がまるく和むこと
まどか愛とは
自己愛や利他愛をこえる大きな愛
与えることと奪うことに限定しない愛
すべてを引き受けて赦す愛
惜しみなく包み込む愛
愛が出入りする
通気口をふさいだら
三日と生きられないと
痛烈に思い知らされた
愛の封印は
孤独と地獄のはじまり
愛することを忘れたら
魂の死の淵へと
転がり落ちるだけ
内に愛を抱き
外に愛を発し
この世に愛を増やししてゆけば
愛に包まれて生きられるだろう
そうなってほしいと
心から祈ろう
今日は
新たな出発の日
大きな
まどやかな
理想の愛でなくても
今日はいい
ちっぽけで
ささやかで
草の花のような
ひっそりとした愛があれば
それだけで
わたしは幸せだ
ただ ただ
愛を封印したら
見失ったらいけないと
今日この時にこそ
自分自身に
言い聞かせよう
