風花未来の今日の詩は「黒鳥の微笑み(こくちょうのほほえみ)」です。
黒鳥の微笑み
何の前触れもなく
眼の前に突然
黒鳥が舞い降りた
姿かたちは
白鳥と変わらない
だから
眼の前の白鳥が
黒鳥だと気づくのには
一か月ほどかかった
天使も
スワンも
もう見えない
遠いかなたに
消えてしまった
もう
スワンなしで
生きて行こうと
あきらめかけていた時に
黒鳥がわたしに
微笑みかけてきた
美と愛と救済の化身が
白鳥ならば
黒鳥は
悪と陶酔と堕落の化身
なのだろうか
だが
美しい
わたしを
絶望から救ってくれる
悪魔と誘惑だとしても
地獄からの招待状だとしても
黒鳥が恋しい
大事なことは
黒鳥から引力を感じてることだ
黒鳥がわたしを呼び寄せたのか
それとも わたしが
黒鳥を引き寄せたのか
スワンにかわる存在としての
黒鳥というだけでなく
運命を感じるから
この黒い鳥を
ブラックスワンと呼ぼう
しびれるほどの美に
酔いしれながら
堕ちるところまで
おちてゆきたい

