Views: 1

今回の風花未来の詩は「瞳(まなこ)」です。

 

瞳(まなこ)

 

真っ暗な闇の中に

浮かび上がったのは

大きな瞳(まなこ)

 

カッと見開いた

瞳(まなこ)は

何を照らし

何を見つめ

何を語っているのか

 

わたしに

本当のわたしになれと

叱っているのか

 

わたしに

重い荷物をおろせと

忠告しているのか

 

あるがままで

そのままで

だいじょうぶだと

慰めてくれているのか

 

わからない

瞳(まなこ)の意味など

まったく

わからない

 

闇は深い

 

闇の向こう側にも

闇しかないというように

闇は深く果てしない

 

だが

瞳(まなこ)は見える

 

今の わたしには

穢れなき光を放つ

瞳(まなこ)しか見えない

 

最後まで読んでくださって、ありがとうございます。

 

詩というのは、なんだか難解で、高尚なものだと思われがちです。「正解を見つけなきゃ」と身構えてしまう方もいるかもしれませんね。

 

でも、この『眼(まなこ)』という作品に関しては、どうかその心のガードを解いて、ただの独り言を聞くような気持ちで接してもらえたら嬉しいです。

 

私たちが毎日、何気なく使っている「目」。

 

それは単に物を見るためのレンズだと思われがちですが、私は少し違う働きもしているように感じています。

 

「眼」は、心のフィルターそのものなんです。

 

同じ景色を見ても、悲しいときは世界が灰色に見え、嬉しいときは道端の雑草さえ輝いて見える。皆さんも、そんな経験はありませんか?

 

世界がどうあるかよりも、「自分がどう見るか」で、目の前の現実は驚くほど変わってしまう。そんな、当たり前だけれど忘れがちなことを、改めて言葉にしておきたくて、この詩を書きました。

 

この詩で私が一番伝えたかったのは、「何を見るか」よりも「どんな温度で見るか」ということです。

 

自分自身のダメなところ、他人の至らないところ。

 

鋭い眼差しで見つめれば、それは「欠点」として浮き彫りになります。

 

けれど、少しだけ眼差しを緩めて、温かい眼で見つめてみれば、それは人間らしい「愛嬌」や「味わい」に変わるかもしれません。

 

この詩には、難しい比喩も、謎解きのような言葉も置いていません。

 

ただ、読み終えたあとに、皆さんの視界がほんの少しだけ柔らかく、明るくなっていたら……。そんな願いを込めました。

 

もし、日常の中で何かに追われたり、心がカサカサしているなと感じたりした時は、またこの『眼』に戻ってきてください。

 

「ああ、そうだった。もう少し優しい目で世界を見てみよう」

 

そう思えるスイッチになれたなら、作者としてこれ以上の喜びはありません。

 

あなたのその眼が、明日も美しいものをたくさん映し出しますように。