シェアード・ディシジョン・メイキング(SDM:共同意思決定)
 
医療現場において「インフォームド・コンセント(説明と同意)」の次の段階として現在重視されている概念は、主に「シェアード・ディシジョン・メイキング(SDM:共同意思決定)」と呼ばれます。

 

また、文脈によっては「インフォームド・チョイス(説明と選択)」や「アドバンス・ケア・プランニング(ACP:人生会議)」を指すこともあります。それぞれの特徴と違いは以下の通りです。

 

  1. シェアード・ディシジョン・メイキング(SDM:共同意思決定)

 

現在、最も「次の段階」として注目されている考え方です。

 

  • 内容: 医師が持つ「医学的な専門知識・エビデンス」と、患者が持つ「価値観・人生観・生活スタイル」を双方向で共有し、対等な立場で一緒に最善の治療法を決めていくプロセスです。

 

  • 背景: 医療の進歩により、「正解が一つではない(複数の治療法があり、それぞれにメリット・デメリットがある)」ケースが増えたため、医師からの一方的な説明に同意するだけでは不十分になったことが挙げられます。

 

  1. インフォームド・チョイス(説明と選択)

 

インフォームド・コンセントの直後に提唱されるようになった概念です。

 

  • 内容: 医師が複数の選択肢を提示・説明し、最終的な選択を患者自身が行うという考え方です。

 

  • SDMとの違い: インフォームド・チョイスは「決定権(と責任)が患者側に委ねられる」色合いが強いのに対し、SDMは「患者を孤立させず、医療者と患者が一緒に悩んで決める」という協調性が重視されます。

 

  1. アドバンス・ケア・プランニング(ACP:人生会議)

 

主に終末期医療や介護の現場で、インフォームド・コンセントの発展形として使われる言葉です。

 

  • 内容: 将来、自分の意思を伝えられなくなった時に備えて、どのような医療やケアを受けたいか(または受けたくないか)を、あらかじめ家族や医療者と繰り返し話し合って共有しておくプロセスです。

 

概念の移り変わり(比較表)

 

段階・用語 主導権・特徴 イメージ
パターナリズム(過去) 医師主導 「先生にお任せします」
インフォームド・コンセント 医師が提案し、患者が同意 「この治療法で行きますが、よろしいですね?」
インフォームド・チョイス 医師が提示し、患者が選択 「AとBがあります。あなたが選んでください」
SDM(共同意思決定)(現在) 医師と患者の協働 「あなたの生活や希望に合う方法を、一緒に考えましょう」

 

耳にされた言葉や文脈に最も近いものはどれでしょうか?特定の分野(がん治療、終末期ケア、認知症など)での事例が必要でしたら、さらに詳しくお伝えできます。