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周防正行の映画「それでもボクはやってない」の感想

私の中で21世紀は優れた映画がなかなか出ないと諦めているところがあるので、稀に佳作に出逢うと非常に嬉しいのですね。

それでもボクはやってない」は、2007年の作品です。監督は「Shall we ダンス?」であまりにも有名な周防正行です。

「Shall we ダンス?」が1996年の作品。実に10年以上の沈黙を破って発表したのが、この「それでもボクはやってない」でした。

周防正行監督の映画の特徴である、着眼点の面白さ、作り方の細密さは、この「それでもボクはやってない」にも共通しています。ただし、この映画には「笑い」はなく、あくまでシリアスに作られているのですね。

痴漢冤罪事件を扱っていますが、この映画を見ると、被疑者の取調べ方は実際にはこんなにひどいことがされているのか、刑事裁判ではこれほどまでに人権が軽視されているのかなど、驚きを禁じ得ません。

周防正行監督は、2002年(平成14年)に東京高裁で逆転無罪判決が出された事件をきっかけに痴漢冤罪(ちかんえんざい)に関心を持ち始めたそうです。その後、地道な取材を継続し、映画に反映させていて、主人公も実在の人物がモデルになっています。

大真面目な社会派映画となっていますが、全体に程良い「軽さ」があります。その中で、弁護士役を演じた役所広司のクールさが実に効いていました。役所が演じた弁護士の存在により、作品に芯ができ、程良い「重さ」が保たれていたと思います。

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