風花未来の今日の詩は「天使のささやき」です。
天使のささやき
夢の中で
天使が舞い降りてきた
すぐ近くまできて
翼のはばたきをとめ
わたしに ささやいた
「天上界に帰ろうよ」
天使のささやきは
子守歌のように
やわらかく
わたしを
包みつづけた
わたしは もともと
天空から降ってきた
人に似た天使
天使に似た人なのだから
ふるさとの天上界に
いっしょに
帰ろうというのだ
だからなのかな
わたしが 子供の頃から
空に 憧れつづけてきたのは
憧れの国に帰るのなら
それも 良いかもしれない
最近 ときどき
ふうっと
心と体が 宙に
浮かび上がりそうになる
でも だけど
もう少しだけ
地上界にいたい
天空で光る
星々の輝きを
地上でも放つ
人々が
愛おしいから
そう わたしが答えると
天使が
翼をひろげた
空へと舞い上がりながら
天使が わたしに
何かを ささやいた
だが 最後のひとことは
聴きとれなかった
