今回の風花未来の詩は「この世でいちばん美しい情景」です。
この世でいちばん美しい情景
遠い 遠い
過去の情景
ひっそりとした
昼下がり
赤ちゃんを抱いて
子守歌を
静かに
ささやくように
唄っていた
若いお母さん
その優しく
柔らかな声音に
小学二年生だった
わたしは
うっとりと
聞き惚れたいた
この世で
いちばん美しい光景に
いちばん美しい音に
わたしは
魅せられ
時を忘れていた
赤ちゃんを抱いて
子守歌を歌っていた
あの若いお母さんは
もう この世を去った
もう一度だけでいいから
あの子守歌を
聴いてみたい
この世でいちばん美しい
情景の中へ
あの安らかな静けさに
帰っていきたい
しめやかで
あたたかい声音に
溶け込んで
時を忘れ
わたしという存在が
消えてしまうまで
じっと じっと
聴き続けていたい
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いつか、あなたとお逢いして、詩の話ができる日が来ることを、切に願っております。


