風花未来の今回の詩は「冷たい雨の中を」です。

 

冷たい雨の中を

 

冷たい雨の中を

歩いていたい

 

吐く息が白くらい

寒い夜が 良い

 

だれもいない雨の街を

歩いていたい

 

静けさが

わたしを

いっそう

独りにしてくれるから

 

雨音が

あの懐かしい

ささやきを

とおいところから

つれてきてくれるから

 

冷たい雨の中を

今は ただ

歩きつづけていたい