風花未来の今日の詩は「さまよう」です。
さまよう
ふたたび
魂の彷徨(ほうこう)が始まった
大手術を経て
肉体と魂が
残酷なまでに引き裂かれた時
わたしは一つの方向にむかって
復活しようと
もがき
苦しみ
ひたむきに
生きようとした
あれから一年が過ぎた
今はどうか
わたしは
一つ方向にむかって
生き続けており
ひとつの場所に
杭を打ち込み
土をたがやし
種をまいているはずだった
しかし
想いもよらぬことが
起きている
今のわたしを見ても
誰も気づかないだろうけれど
わたしの魂は
ふたたび
さまよい始めている
生活のわずかな変化にも
樹々のこずえの揺れにも
魂が過敏に反応して
大震災級の地震にまで
不安と怖れが
激化してしまっている
何もかもが怖ろしい
特に
人が怖い
人の優しさに
心底おびえている
雨に濡れ
傷ついた
小鳥のように
震えている
震えているのは
誰だろう
わたしだ
実はいちばん怖ろしいのは
わたし自身かもしれない
わたし自身の生存を
根底から揺るがす
激しい震え
この先にあるものを
見つけたいがために
魂はふたたび
流転し
放浪しようとしているのか
さまよう
今のわたしには
さまようことしかできない
