今日の風花未来の詩は「曇りの日と休日は」です。

 

曇り日と休日は

 

「雨の日と月曜日は

落ち込んでしまう人が

多いのだろうか

歌にうたわれて

しまうくらいだから

 

私はというと

「曇りの日と休日」は

苦手すぎて

打つ手がない

 

だから

曇り空を見上げると

もう

途方に暮れるしかない

 

冬の雨は凍えるし

夏の雨は蒸し暑いし

好きではないけど

雨は表情が豊かで

話しかければ

必ず返答してくれるような

人間臭さが感じられるか

嫌いではない

 

でも

曇りの日は

街中が灰色に染まってしまい

無機質で

感情移入できないほど

表情がかたまっているから

苦手でしかない

嫌いになろうにも

反応を拒絶されているようで

会話をあきらめるしかない

 

休日も苦手だ

街中に人があふれかえり

入れる店がない

名前を書いて

入店許可が出るまで待つ

そんな根気を

私は持ち合わせていない

 

だから

休日で

しかも

曇りだったら

どうしようもない

 

どうしようもないから

曇天を見上げ

大きく息を吐いて

心を澄ます

 

すると

微かに

風が吹いているのに

気づいた

 

この微かな風は

「曇りの日と休日」の

ただ一つの救いだ

 

「曇りの日と休日」は

風を感じていよう