映画「白鳥」は1966年に公開された。監督は西河克己。
主演は吉永小百合だが、これまでに見たことがない吉永小百合が眼前に現れて、絶句した。
だが、逆に、これが吉永小百合だと思った。
美女の典型のような吉永小百合より、この「白鳥」での吉永小百合の方が私にとってはありがたい。
相手役は渡哲也である。「愛と死の記録」で、渡哲也と吉永小百合は共演した。
この映画は被爆と純愛というテーマだったが、今回の「白鳥」の方が、より人間臭くて今の私には好ましい。
しかし、この「白鳥」で描かれた愛の形は、これまでに映画化されているのだろうか。
2人の男性を愛する女性が、罪の意識を感じないとドラマは生まれない。現代に生きる女性で、吉永小百合が演じた主人公ほど、激しく罪の意識を感じ、苦しむ女性は、ほぼいないのではないだろうか、とふと思った。
それは、よくわからないが、女性に聞いてみたいところである。
ちなみに、このブログでは、西河克己監督の映画は、すでに以下の作品をレビューしているので、読んでほしいものだ。
生きとし生けるもの(1955年)
しあわせはどこに(1956年)
若い傾斜(1959年)
風のある道(1959年)
四つの恋の物語(1964年)