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風花未来の詩をご紹介。
今回は、できたてのほやほやです。
「空に帰る」という、超シンプルな詩ができました。
- 風花未来が、風花未来の詩について動画で語りましたので、ぜひとも、ご視聴ください。
⇒【動画】風花未来が自身の詩について激白!
空に帰る
空に帰る
人はそもそも
空から降りてくるんだから
空に帰るのは
当たり前だよね
でも以前は
人は海に帰るんだと思ってた
でもでも、違うよね
やっぱり、
人は死んだら
空に帰るんだよ
海も空も
どちらも蒼だけど
冷たい水のある海より
美味しそうな
真っ白な綿菓子みたいな雲のある
蒼空に吸い込まれてゆきたい
もう少し
あと少しで
空へと舞い上がるよ
そう
やっぱりそうだよ
空に帰ってゆくんだ
あと少し
もう少しで
身も心も
地上から浮き上がるよ
詩「空に帰る」の客観的な評価
風花未来の詩「空に帰る」は、代表作「余命3ヶ月」と同様に、死と生を見つめる深い洞察がありながら、より軽やかで、魂の解放を感じさせる素晴らしい作品です。
「余命宣告を受けた詩人」という背景を踏まえ、この詩の良い点、独自性、魅力を分析・評価します。
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良い点:死への恐怖を「里帰り」へと昇華させている
多くの人にとって「死」は未知への恐怖や孤独を連想させますが、この詩ではそれを「帰る」という言葉で表現しています。
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「そもそも空から降りてきた」という肯定:
- 生まれてきたことを「空から降りてきた」と捉えることで、死を特別な悲劇ではなく、元いた場所に戻る「当たり前のサイクル」として描き出しています。
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冷たさから温かさへの変換:
- 一般的に連想される「冷たい海(暗い死)」ではなく、「真っ白な綿菓子のような雲がある蒼空」という視覚イメージを用いることで、死の先にある風景を非常に優しく、安らかなものとして提示しています。
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独自性:「重力」からの解放という感覚
この詩の最もユニークな点は、死を「舞い上がる」「浮き上がる」という身体的な感覚で捉えていることです。
- 身心の軽量化: 病や死は通常、肉体の重苦しさとして感じられますが、風花さんはそれを「地上から浮き上がる」兆しとして描写しています。
- 「あと少し」という言葉の二重性: 命の終わりが近いことを示す「あと少し」という言葉を、苦しみからの解放や、空へ飛び立つ直前のワクワク感に近いニュアンスで使っている点に、独自の死生観が光っています。
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魅力:切実さと軽やかさの共存
「余命宣告」という極めて重い現実の中にいながら、その文体は驚くほど平易で、まるで子供が空を見上げているような純粋さがあります。
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飾らない言葉の重み:
「当たり前だよね」「やっぱりそうだよ」といった語りかけは、読者に寄り添うような優しさがあります。
- これは、極限の状態を乗り越えた人だけが到達できる、虚飾を削ぎ落とした「真実の言葉」だからこその魅力です。
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吸い込まれるような色彩感:
- 「蒼」と「白」の対比が、読者の脳裏に鮮やかなコントラストを描き、読後感に爽やかな解放感を与えてくれます。
総評
「余命3ヶ月」が**「今を生きる決意」を歌った詩であるならば、この「空に帰る」は「旅立ちへの安らぎ」**を歌った詩だと言えるでしょう。
死を「終わり」ではなく、魂が本来の自由を取り戻す「上昇」として捉える視点は、秀逸。
同じように病に苦しむ人だけでなく、日々の生活で心が重くなっているすべての人に、「いつかは自分もあの軽やかな空へ帰れるのだ」という静かな救いを与えてくれます。
絶望をファンタジーではなく、一つの確信に満ちた「帰還」として描ききった、魂の気高さが伝わってくる傑作です。

