風花未来の今日のは「幻を愛す」です。

 

幻を愛す

 

夢を描いたり

理想を抱いたり

思想を築いたりするより

現実として

眼で見られる

物と人と行動の方が

上位に位置することだと

多くの人が信じているらしい

 

ましてや

愛することにおいて

ある人に恋焦がれたり

美しい幻想を追い求めたりするなど

一人前の人間がすることではなく

愛情などほどほどで

燃えたぎるものなどなくても

現実は厳しいのだと

積極的に妥協してあきらめ

実際 同じ家に住んだりする方が

大人のやるべき行動だし

評価される

という風習が

一般社会にはあるらしい

 

いや いや いや

真逆で

いいんじゃないかな

 

愛に現実など

必要ない

というか

あってはならない

 

人を愛するとは

幻の影を愛することなのだ

 

幻を愛するからこそ

命がけで人を愛せるのではないか

 

そういう狂気じみた確信を

抱きつつある

今のわたしは

壊れているのだろうか

 

いや いや

そうじゃない

幻しか愛せない人間もいる

幻しか愛さない生き方だって

あっていいのではないか

 

待てよ

 

人生そのものが

なんだろう

 

それだけじゃない

 

眼に映るものだって

すべてが幻影

なんじゃないかな

 

これまで生きてきたことも

これから生きてゆくことも

全部がぜんぶ

蜃気楼であるほうが

自然に受け入れられそうだ

 

結論は

今のわたしには

導き出せない

正解には

そもそも興味がない

 

ただ

わかることが

ひとつだけある

 

幻を愛するしか

生きるすべがないのだ

それくらい

ぎりぎりのところに

わたしは今

立たされている

 

そして

これまで見えてきた

幻さえも

消え入りそうになっているのだ

 

幻が消える時

わたしの命も消えるのだろうか