映画「」をアマゾンビデオで鑑賞しました。傑作とか名作とかいう類いの映画ではありませんが、見どころは満載。映画としていろんな楽しみ方ができる、一見の価値ある映画です。

 

映画「花」は2003年11月1日に公開された日本映画。湯布院映画祭招待作品。監督は西谷真一。主演は、大沢たかお柄本明

 

見ていて、もどかしさと感じてしまいます。それは、脚本、演出、カメラなどに、それぞれ稚拙なことろがあり、盛り上がりそうで盛り上がらない。感情移入できそうでできません。

 

逆に、完全に挫折してしまうには惜しい魅力も詰まっているので、結果として相当に楽しめる映画にはなっているのです。

 

おかしな言い方になりますが、ユニークなB級ロードムービーと呼ぶのが適切でしょうか。

 

演出が成功してはいませんが、榎本明と大沢たかおというユニークな顔合わせによる、ロードムービーは結構楽しめます。

 

なんだか、ちぐはぐなのですが、それによって、過度な湿度と重さを回避できていました。

 

その他、部分的ではありますが、楽しめる点が多々あります。

 

例えば、少ししか出てきませんが、樋口可南子の演技が実にうまい。主演を充分にはれる女優ですが、こういう端役でも良い味を出していました。

 

牧瀬里穂は榎本明の妻の若い時を演じているのですが、ひたすら笑顔です。笑顔だけで印象に残す演じに徹していて、それが映画の中で実に効いているのでした。

 

映画のタイトルは「花」ですが、実は牧瀬里穂が演じた妻の笑顔のことを、象徴的に「花」と呼んでいるとさえ感じたほどです。

 

大沢たかおの彼女役を演じた西田尚美、榎本明の若い頃を演じた加瀬亮も良かったと思います。

 

特筆すべきは、音楽です。ギターのソロ演奏が映像とよく合っていました。ギター演奏は村治佳織。この映画の中で最も完成度が高かったのは、音楽でしょうね。