映画「悲しき別れの歌」は1965年に公開さた日活映画である。

 

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監督は西河克己

 

この映画で吉永小百合が豹変した。共演映画は44作にも及ぶ浜田光夫は変わらないのに、吉永小百合がすっかり大人の女性になっていて、その変身ぶりにはのけぞりそうになったほどだ。

 

吉永小百合と浜田は、32本の映画で恋人役を演じている。その中でも異色中の異色というべきが、この「悲しき別れの歌」である。

 

キャストはかなり豪華だ。

 

野村ゆり子 ................ 吉永小百合
風見信太郎 ................  浜田光夫
矢吹健次郎 ................  松山英太郎
川村秀子 ................  浜川智子
野村正雄 ................  宮口精二
野村はる子 ................  高峰三枝子
野村照雄 ................  田村清臣
野村まり子 ................  田代みどり
風見信吉 ................  宇野重吉
風見ふさ江 ................  荒木道子
風見友子 ................  西尾三枝子

 

野村家と風見家の描き方が深い。野村家と風見家の物語、それがこの映画の主題なのだ。

 

実は、吉永小百合と浜田光夫の恋愛映画ではないのかもしれない。もっと深いものを、描出し得た、貴重な作品である。

 

高峰三枝子は影の主役と言いたくなるほどの熱演だった。

 

二人の父親、宮口精二宇野重吉の渋い演技が効いている。昭和の名優である二人の演技が見られるだけでも価値がある映画だ。