今回の風花未来は「私が癌になった理由」。

 

私が癌になった理由

 

私が余命3ヶ月の宣告を受けてから

もうすぐ1ヶ月が経とうとしている

 

私の中の肝臓癌が

もう手術もできない状態で

新発見されたとき

医師は「わからない」と言い

私自身は「ありえない」と思い

姉は「間違いだろう」と途方に暮れた

 

なぜなら1年くらい前に

大腸癌の手術をしていて

この1年間

レンガを一つひとつ

積み上げるように

健康には気を配ってきた

 

それなのに

転移も増殖速度も

はや過ぎる

 

しかし、数日前

反戦を訴えるクリスマスソングを

聴きながら

なぜ私が癌になり

余命3ヶ月の宣告を受けたのか

その理由をはっきりと悟った

 

私の愛が足りないから

自分の愛し方がつたないから

 

私はこの5年間

社会問題について

発言をつづけてきた

社会問題という外なる世界を

自分自身という内なる世界を

つなげて語るのが私の特徴だ

 

この方法に間違いはなかったが

大事なことに気づけなかった

 

癌は「怒り」と「哀しみ」によって

増殖して生命体をむしばむ

 

社会問題と向き合う時に湧いてくる

「怒り」と「哀しみ」を

政治にぶつけると同時に

自分自身にも向けて

私は自分の意見を述べてきた

 

しかし、この1年は

療養生活で発信を休んでいたため

私の「怒り」と「哀しみ」は

私自身のみを攻撃してきたのだ

 

だから

自分をいたわるために休んでいたのに

自分自身をより激しく責めさいなんでいた

そのことに

ジョンのヨーコの

クリスマスソングを聴くまで

気づけなかった

 

自分という内なる世界に

眼を向けるのは間違いではない

しかし 愛が足りないと

自分自身を守りとおせない

傷つき出血していることにも気づけない

 

私の愛が足りなかったから

私自身の愛し方がつたなかったから

 

過度に自分を痛めつけ

「怒り」と「哀しみ」という

癌が急激に増殖してしまった

 

愛が足りないなら

愛を増やそうと

なぜか素直に思えた

 

癌を攻撃して

死滅させようとするのではなく

愛を増やして

自分自身をも

じゅうぶんに愛せるようになって

癌を愛で包みこみ

癒していこうと思う

 

癌も

私自身だから

 

「怒り」と「哀しみ」を

ぶつけるのではなく

愛をひたすら増やして

「慈しみ」と「美しみ」と

そして「歓び」を

自分自身という内なる世界に

注ぎ込んでゆきたい

そして同時に

「慈愛と美と歓び」を

私自身をこれまで育ててくれた

外なる世界にも

広げてゆきたい

 

今なら

癌にも

「ありがとう」と

素直に言える

と書いたら嘘になるだろうか

 

この詩の中に出てくる「クリスマスソング」については、以下の詩で語っていますので、よろしければご確認ください。

 

「クリスマスの夜に」

 

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