「鍵泥棒のメソッド」という映画を、堺雅人が主演しているという理由だけで、DVDレンタルしてしまいました。かといって大して期待していたわけではないのですが、これがもう、ハンパないおもしろさで……
『鍵泥棒のメソッド』(かぎどろぼうのメソッド)は、内田けんじ監督の日本映画。2012年9月15日公開。
普通にレビューしてもつまらないので、この映画を一言(一つのキーワード)で表してみましょう。
おもしろい
とにかく、おもしろいんですね。寝転んで見ていたんですが、何度か、体がエビのように跳ね上がったくらいです。「おもしろさのツボ」をここまで絶妙におさえた映画を久しぶりに見ました。
ハイレベル
B級娯楽作品では、決してありません。脚本、演出、カメラワークなど、すべてが、ハイレベルなのです。
役者力
堺雅人、香川照之(てるゆき)の演技力が秀逸。特に、香川照之が記憶を失い、取り戻すまでの演技は笑えるやら、感心するやで……とにかく、必見です。
それと、年齢を重ねても「アイドルっぽさ」が抜けないために、女優としてイマイチだと言われがちな広末涼子が、完全に「脱アイドル」をかなえてくれました。冴えない、婚活女性を演じ切り、逆に「味な可愛らしさ」とかもしだしていますよ。
低予算
とにかく、大掛かりなことは何もしていません。誰が見ても、低予算だとわかります。それなのに、この「質の高さ」を実現してしまっているのですから、讃嘆に値しますよね。
田中けんじ監督
監督が気になる、数少ない作品の一つ。この映画を見る前に「ダイ・ハード」の5作目を鑑賞したのですが、ここまでパターン化(マンネリ化)してしまうと、作り手の存在に全く関心がわきません。
逆に、この「鍵泥棒のメソッド」は「ここまで魅力あふれる映画を作る人はどんな人なのだろう?」と興味をおぼえ、他の田中けんじ監督作品も全部見てしまおうと思うのです。
最後に一言。邦画、侮りがたし!