風花未来の今日の詩は「冬の花」です。

 

冬の花

 

真冬の夜の湖を

情け容赦なく渡ってゆく風

 

幾重にも幾重にも

重ね重ねて

打ち寄せ来る

夜のさざ波のように

私の哀しみは

果てしない

 

波間にふと浮かんだ

真っ白な一輪の花

 

冬に咲く花は

花全体のわずか1%だという

 

これほど厳しい季節を選んで

あえて咲く花の心を想う

 

心の中に咲く花が

私の痛みを

微かにやわらげてくれる

 

幾重にも幾重にも

重ね重ねて

打ち寄せ来る

夜のさざ波の波間に

一輪の花が咲いている

 

真冬に咲く花の心を想う

心の中に咲く花が

ただただ

愛おしい