もうすぐ10月ですが、この時期を私は転機の季節と呼びたいのです。なぜなら、私がライターの見習いとして就職したのが、10月だったから。

 

私の誕生月は10月。もうすぐ30歳になろうとしていた、あの頃の私は何を想っていたのか。長いこと、アルバイトで食いつないでいた私がなぜライターになろうとしたのか。

 

秋晴れの空を眺め、澄んだ陽光を感じる時、今でもふと、あの転職の時期、あの頃の心の情景が想い浮かぶのです。

 

失恋の痛みに耐えかねていたのと、失恋の原因が私自身の経済力のなさにあったと推察していたこと……それが、就職の理由でした。

 

要するに、いくらなんでも安定して給料がもらえる仕事につかないことには、どうにもならないと痛感したのです。

 

ライターになってからも、大病を2回もし、3回ほど死にかけた経験もし、茨の道でした。

 

しかし、30歳からずっと「書く力」だけで生計は立てられており、ライターになる前のような経済的な困窮は経験したことはありません。あの時、手に職をつけておいて、本当に良かった。

 

文章を書くことで、これからも食べてゆきます。でも、これからは、もっともっと「自分らしく」ありたい、そう強く願っているのです。では「自分らしく」生きるためには、どうしたら良いのでしょうか?

簡単に「自分らしく生きたい」と言いますが、これがなかなか一筋縄ではゆかないわけです。

 

なぜ、自分らしく生きにくいのか……大きな原因の一つに経済力があるかと思います。人はお金がないと生活できないからです。また、あり過ぎても、不幸を招きかねません。

 

お金は少なすぎても、多すぎても、自分を失う原因になると、私は体験から知りました。

要するに「ほどほど」が良いわけです。

 

これからは、自分がやるべきでないことは一切しない、そして、自分の役割だけを全力でまっとうすると心に決めました。

 

この境地にたどりつくまで、どれほどの時間を費やしたことか。

 

経済的には、どうか。これについては、稼ぎ過ぎないことを重視します。そして、仕事の内容は、極力シンプルにし、無駄を省き、質を追求したいのです。

 

「自分らしく」あるためには「単純であること」が前提条件となります。というか、限界までシンプルに生きられたら、それが「自分らしさ」につながると考えているのです。

 

別に深刻に考えているわけではありません。余計なものを捨てることは、快感であり、心を軽くしてくれます。単純に生きよう、そう考えただけで、元気になってくるから不思議です。

 

もっと単純に、もっと自分らしく、これが私のモットーで決まり。もう、悩まなくても良いのですね。