前回の記事で「特捜最前線」の真骨頂は『お涙ちょうだい劇』にある、と申し上げた。
今回は大滝秀治(船村刑事)の独特の演技力について述べたい。
大滝秀治の凄まじいばかりの演技が見られるのが、118話の「子供が消えた十字路」だ。
この回も、現在、アマゾンプライムで見られる。
子供が自動車にはねられたところを、船村刑事が目撃。それがとんでもない事件になるのだが、その時の様子を、船村刑事はどうしても正確に思い出せない。
船村刑事の苦悶が始まるのだが、その苦しみ、悶える船村刑事の表情は、テレビドラマのワク(一般常識)を完全に逸脱している。
船村刑事の表情の変化を追いかけるだけでも、ドラマ10本分の価値はある。