特捜最前線 第118話「子供が消えた十字路」

前回の記事で「特捜最前線」の真骨頂は『お涙ちょうだい劇』にある、と申し上げた。

 

特捜最前線の「第40話 初指令・北北東へ急行せよ!」

 

今回は大滝秀治(船村刑事)の独特の演技力について述べたい。

 

大滝秀治の凄まじいばかりの演技が見られるのが、118話の「子供が消えた十字路」だ。

 

この回も、現在、アマゾンプライムで見られる。

 

子供が自動車にはねられたところを、船村刑事が目撃。それがとんでもない事件になるのだが、その時の様子を、船村刑事はどうしても正確に思い出せない。

 

船村刑事の苦悶が始まるのだが、その苦しみ、悶える船村刑事の表情は、テレビドラマのワク(一般常識)を完全に逸脱している。

 

船村刑事の表情の変化を追いかけるだけでも、ドラマ10本分の価値はある。

映画「流れる」は昭和の名女優が勢ぞろい。滅びの美学を芸者置屋を舞台に表出

成瀬巳喜男監督の映画「流れる」を鑑賞。

 

「流れる」は、1956年に公開された日本映画。

 

日本の情緒、滅びの美学を、零落する芸者置屋を舞台に存分に描き切った名作映画だ。

 

古き昭和の名女優たちが大集結している点も、映画のオールドファンにはこたえられないだろう。

 

梨花(お春):田中絹代
つた奴:山田五十鈴
勝代:高峰秀子
なな子:岡田茉莉子
染香:杉村春子

 

以上5人の女優たちが、陰影豊かな演技を披露してくれていて、最初から最後まで目が離せない。

 

山田五十鈴の美しさ、高峰秀子の哀愁、田中絹代の渋みが、特に際立っていた。

 

映画「流れる」はこちらで視聴可能です

 

私自身、2週間の入院生活を終えた後だから、これらの古き良い昭和女優の競演を、しっとりと楽しめたに違いない。

 

私の母親が愛した女優たちに、これまで全く興味がなかったし、その演技力を味わう鑑識眼も持ち得なかった。

 

だが、今回鑑賞してみて、やはり映画「流れる」は、名作として語り継ぐ価値があると痛感した。

 

映画「流れる」の原作は、幸田文の同名小説。

 

幸田文は「流れる」というタイトルについて「しあはせになつてあちらの方へ遠く離れて行くのを見送つてゐること」のように思われる、と書いている。

 

隅田川沿いの風景と町並み、人々の暮らしぶりを背景にして物語が進んでゆく。

 

「流れる」は、墨田川の流れであり、時代の変化であり、登場人物の自分の運命に流されるような主体性の薄い人生の流れなどを、象徴しているように私は感じた。

 

成瀬巳喜男監督の抒情表現は見事である。

 

しかし、そこに意味性や哲学はない。情緒のための情緒であり、美意識の美が存するだけだ。

 

まさに、それが成瀬巳喜男フィルムの精髄であろう。

 

 

日本の名作映画ランキング50+

日本の映画はかつて世界一のレベルを誇っておりました。

 

当時の名作をじっくりと鑑賞することは、今の私たちに有益なだけでなく、希望ある未来を創造する上で、大いに役立つと、風花未来は信じています。

 

そこで、このページでは、日本の名作映画ランキング50を選定し、多くの人々に名作映画の素晴らしさを味わっていただくことにしました。

 

なお、黒澤明監督の作品は、除外いたしました。黒澤映画が上位を独占すると思われるからです。

 

黒澤明監督の映画は別格扱いとして、こちらにまとめました

 

監督別に名作映画をセレクションした記事はこちら

 

邦画ベスト100(監督別セレクション)

 

日活青春映画(1960年代)監督別レビュー集

 

原爆をテーマにした映画はこちら

 

原爆の詩と映画を集めてみました。

 

では、日本の名作映画ランキングの発表です。

 

1)破戒

 

2)橋のない川

 

3)鍵泥棒のメソッド

 

4)屋根裏の女たち

 

5)いのちぼうにふろう

 

6)あに・いもうと

 

7)朝の波紋

 

8)原爆の子

 

9)乱れる

 

10)私は貝になりたい

 

11)妻の日の愛のかたみに

 

12)その夜は忘れない

 

13)

 

14)三匹の侍

 

15)大殺陣 雄呂血

 

16)十三人の刺客

 

17)日本列島

 

18)家族

 

19)上意討ち 拝領妻始末

 

20)第五福竜丸

 

21)ガラスの中の少女

 

22)花影

 

23)東京物語

 

24)雨月物語

 

25)野菊の如き君なりき

 

26)赤い天使

 

27)長崎の鐘

 

28)無法松の一生

 

29)キューポラのある街

 

30)飢餓海峡

 

31)日本のいちばん長い日

 

32)砂の器

 

33)洲崎パラダイス赤信号

 

34)血と砂

 

35)愛と死の記録

 

36)幸福の黄色いハンカチ

 

37)悲しき別れの歌

 

38)男はつらいよ 寅次郎恋やつれ

 

39)妻は告白する

 

40)東京オリンピック

 

41)その人は遠く

 

42)おゆきさん

 

43)黒い画集 ある遭難

 

44)霧の旗

 

45)乾いた花

 

46)座頭市物語

 

47)切腹

 

48)刺青

 

49)斬る

 

50)若者たち

 

51)学校

 

52)太平洋奇跡の作戦 キスカ

 

53)黒の試走車

 

54)非行少女

 

55)美わしき歳月

 

56)どっこい生きてる

 

57)中山七里

 

58)鯉名の銀平

 

59)清作の妻

 

60)動脈列島

 

61)警察日記

 

62)黒い画集 あるサラリーマンの証言

 

63)異人たちとの夏

 

64)幕末太陽傳

 

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日本の名作映画ベスト50

 

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