映画「妻二人」で増村保造監督は、増村流「究極の女性美」を完成

映画「妻二人」を初めて観た。増村保造監督の作品はほとんどすべて観ているはずだが、この映画は未見だったのだ。

 

傑作である。

 

映画「妻二人」は、こちらで視聴できます

 

映画は人間の真実を描き出す総合芸術だといわれる。

 

では、この映画「妻二人」は、人間の真実を、二人の女性を描くことで、女性の真実をえぐりだすことに成功しているだろうか。

 

増村保造は、確かに「えぐる」作家だ。

 

表面的な描写を、増村保造は極端に嫌う。

 

赤裸々な人間描写を好む。

 

話を元に戻そう。増村はこの「妻二人」で、人間の真実を描出し切ったといえるのか?

 

答えは、ノーだ。

 

増村が描いたのは、増村という人間のフィルターを通って出てきた、独特の女性像である。

 

現実に、この世に、このような女性はいないだろう。

 

いないが、生み出したのだ、増村保造監督が。

 

その生み出した女性が、二人とも、すさまじく魅力的なのだ。

 

真面目で、愚かで、生一本で、行き当たりばったりで、セクシーで、清純で、狂っている……そんな女性を、これでもかとばかりに、増村保造監督は、この映画「妻二人」で生み出し、躍動させたのである。

 

それにしても、若尾文子岡田茉莉子、ともに素晴らしかった。

 

岡田茉莉子は好きな女優ではなかったが、この映画で見直した。

 

全身、女の妖気をまとった女性を演じきった女優を、初めて見た気がしている。

 

「妻二人」は、増村保造監督の代表作であり、最も増村らしい「増村節炸裂」映画と呼ぶことにしたい。

孤独な指揮者~風花未来の中期詩篇3

今回は風花未来自身が編んだ「音楽」という詩集の巻頭詩「孤独な指揮者」をご紹介。

 

孤独な指揮者

 

指揮者は

タクトをまだ降り降ろさせない

 

静寂の底で

肩を震わす不安

さわやかに流れだす

風の調べへの期待

不意打ちをかませる

あの野獣への恐怖

 

指揮者は

タクトをまだ降り降ろさない

 

雷鳴はまだか

虹はいつ空を飾るのか

木の葉のざわめきは

夜の霧の悲愁は

いつ聞こえてくるのだ

いつこの闇を濡らすのだ

 

そんな勝手な聴衆の期待に

背中をむけて

黒い影は

まだピクリとも動かない

 

自分の曲を初めて指揮する

この孤独な音楽家には

聴衆の拍手を期待する余裕はなかった

そんなことより

この曲こそ

一度タクトを振り降ろせば

やり直せないのだ

終わりのない曲なのだ

終わっては困るのだ

そのことのほうが怖かった

大切だった

 

指揮者がタクトを

さらに高々とかかげた

次の瞬間

白い棒が

闇の一点を

閃光のように指示した

 

風花未来の詩はすべてこちらにまとめました

風花未来の詩一覧

  • 風花未来が、風花未来の詩について動画で語りましたので、ぜひとも、ご視聴ください。

 

⇒【動画】風花未来が自身の詩について激白!

 

動画では「風花未来はなぜ詩を書き始めたのか?何のために書いているのか?風花未来の詩には、どうして「天使」が登場するのか?」などについて、赤裸々に告白してしまいました。

 

  • 余命3ヶ月の宣告を受け、風花未来は残りの人生を、詩人として生きることを決意しました。

 

  • このページでは、風花未来まとめてみました。

 

  • 風花未来の詩作(詩の創作活動)は、社会の片隅に生きる一庶民による「心の復興運動」でもあります。

 

 

風花未来の詩 まとめ

 

今もっとも多くの人に読まれている風花未来の詩は⇒余命3ヶ月

 

以下、現在の詩「最近の詩」と、抗がん剤を投与される「化学療法室でできた詩」と、かなり前に書いた詩「20代に書いた詩」に分けて編集してみた。

 

抗がん剤投与の休止から手術まで(2025年4月8日~5月18日)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

化学療法室に通う日々(2024年12月17日~2025年4月4日まで)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歯科衛生士さんの魔法~風花未来の詩39

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

余命3ヶ月宣告を受ける前(2024年)

 

 

 

 

詩から離れていた時期の詩(2011年~2022年まで)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雨の匂い~風花未来の詩0

 

風花未来が20代に書いた詩

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「風花未来」のプロフィール

 

風花未来の自己紹介は、以下のページにてご確認いただけます。

 

⇒風花未来のプロフィール

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