有名な詩、感動する詩、心に響く詩「美しい詩一覧」

今回ご紹介するのは、当ブログで「美しい詩シリーズ」として取り上げている詩作品の中でも、特に優れた傑作詩です。

 

題して「美しい詩一覧

 

教科書に載っていたりして有名な詩だけでなく、感動する詩心に響く詩、あまりにも心を動かされて暗唱したくなる詩、さらには、極めて良質な価値を持っていると感じる、読み継ぎ、語り継ぎたい名作、隠れ名作がたくさん登場しますので、どうぞ、お楽しみください。

 

風花さん、あなたの書いた詩も読ませてくださいよ」というリクエストをいただきましたので、風花未来の詩を公開させていただきます、以下のリンク先から、どうぞ!

 

風花未来の詩一覧

 

美しい詩一覧」は、邦画ベスト100詩心回帰まどか(円和)」「まどか愛」「風花まどか大学」「雨上がりのムーブ」「風花シン党物語=風花まどか物語」「日本の名作詩ベスト100」「風花未来の詩創作」と並ぶ、風花未来の心の復興運動の一環としてお伝えしています

 

優れた詩を一篇でも多く、お一人でも多くの人に伝えたいという思いから、これらの詩の全文の紹介とレビューで構成される記事集(美しい詩シリーズ)を書いております。

 

美しい詩のアンソロジー

 

(以下は詩作品の総合リンク集ページ)

 

日本の名作詩ベスト100

 

 

 

 

 

おすすめの詩人を3人だけ選ぶとしたら…

 

原爆をテーマにした詩を集めてみました

 

 

  • (以下は詩人別に詩作品をまとめたリンク集ページ)

 

詩を朗読する動画(詩人別)まとめ

 

おすすめの詩人を3人だけ選ぶとしたら…

 

 

 

 

 

吉野弘の詩一覧 笹田雪絵の詩一覧

 

黒田三郎の詩一覧 サトウハチローの詩一覧

 

室生犀星の詩一覧 草野心平の詩一覧

 

吉野弘の詩一覧  風花未来の詩一覧

 

 

 

風花未来の詩

 

風花未来も詩創作を再開しています←風花未来の詩一覧

 

翻訳詩ベストセレクション

 

ラングストン・ヒューズの詩「助言」。訳詩:木島始

 

パブロ・ネルーダ(笠木透訳)「おいで一緒に(山と川)」

 

リルケ(片山敏彦 訳)「『愛』より」

 

愛は、どんな風にして君にきたか?~リルケの詩「『愛』より」から

 

カール・ブッセ(上田敏訳)「山のあなた」

 

山のあなたの空遠く 幸い住むとひとのいう

 

ポール・ヴェルレーヌ(上田敏訳)「落葉」

 

 

ノルヴィド(川上洸訳)「舞台裏にて」

 

映画「灰とダイヤモンド」に出てくるノルヴィドの詩

 

詩作品の全文とレビュー集

 

(以下は個別の詩作品の全文とレビューを掲載したページ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西行の短歌「何事の おわしますかは 知らねども かたじけなさに 涙こぼるる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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心に太陽を持て~ツェーザル・フライシュレイ(山本有三訳)の詩

ツェーザル・フライシュレイの「心に太陽を持て」というをご紹介します。

 

訳詩は山本有三です。

 

心に太陽を持て

 

心に太陽を持て。

あらしが ふこうと、

ふぶきが こようと、

天には黒くも、

地には争いが絶えなかろうと、

いつも、心に太陽を持て。

 

くちびるに歌を持て、

軽く、ほがらかに。

自分のつとめ、

自分のくらしに、

よしや苦労が絶えなかろうと、

いつも、くちびるに歌を持て。

 

苦しんでいる人、

なやんでいる人には、

こう、はげましてやろう。

勇気を失うな。

くちびるに歌を持て。

心に太陽を持て。

 

ツェーザル・フライシュレンは、ドイツの詩人。1864年5月12日にシュトゥットガルトに生まれ、1920年10月16日にグンデルスハイムで死去。人の心を励ます詩「心に太陽を持て」(山本有三訳)の作者として、日本では有名です。

 

人々に勇気を与える詩と、口で言うのは簡単ですが、そうそう書けるわけではありません。

 

人生の応援歌を、自己陶酔して歌い上げたところで、人の心には響かないものです。

 

よほど、作者が誠実かつ真摯に、切々と訴えないかぎり、他人を元気にするは難しい。

 

では、この「心に太陽を持て」は、どうか。

 

真っすぐ、ですね。まず、このことに驚かされる。変化球なし。直球だけで、最初から最後まで、語りつくしている。

 

この詩は、私を無防備にしてくれた。これはすごいことです。

 

私自身、この「心に太陽を持て」を壁に貼って、毎日ながめて暮らしている、というわけではありません。

 

しかし、こういう詩を、この地球上に生きた人が、確かに書いてくれたのだ、その一点だけで、励まされます。

 

良い意味で「イノセント(純粋・無邪気)」になることが、現代人は苦手です。「純粋」は「馬鹿」なことだと勘違いしているふしがある。いつも警戒し、だまされないように注意して、ビクビク暮らしている人が多いのではないでしょうか。

 

現実は厳しいもので、こういう病な警戒心に凝り固まった人間ほど、だまされやすいのです。

 

逆に考えたらどうか?

 

警戒しているから、だまされて損をする。まるごと信じたら、良いことが起きる、そう思えないでしょうか。

 

これまでに、1回でも他者にだまされたことがある、そういう人に、ぜひこの詩「心に太陽を持て」を贈りたい!

 

ツェーザル・フライシュレンは、もう死んでしまった詩人ですから、何も疑う必要はありません。

 

条件をつけずに、まるごと、これらの言葉を受け止めましょう。ガードは要りません、無防備で良いのです。無条件に受け入れることは、相手を、ある時には人間そのものを、信じなければできません。

 

「心に太陽を持て」という詩は、書かれた内容のすべてを無条件に受け入れ、心の糧としたい、と素直に思えなければ、何の価値もない作品であるのです。

 

実は、すべての「尊い真実」も、すべて同じで、まるごと信じて、無条件に受け入れないと、意味がないし、何のプラスにもなりません。

 

私にとっては価値ある詩です。幸いなことに、作者の真っすぐな心を、あるがままににそのままに、私は受け止めることができたから。

 

「よくぞ、書いてくれましたね」と、作者に感謝したい気持ちでいっぱいです。

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丸山薫の詩「北の春」

丸山薫の「北の春」というをご紹介します。

 

北の春

 

どうだろう

この沢鳴りの音は

山々の雪をあつめて

轟々と谷にあふれて流れくだる

この凄(すさま)じい水音は

緩みかけた雪の下から

一つ一つ木の枝がはね起きる

それらは固い芽の珠をつけ

不敵な鞭(むち)のように

人の額を打つ

やがて 山裾(やますそ)の林はうっすらと

緑いろに色付くだろう

その中に 早くも

辛夷(こぶし)の白い花もひらくだろう

 

朝早く授業の始めに

一人の女の子が手を挙げた

――先生 燕がきました

 

この詩を読んで、ふと「水汲み」という詩を想い出しました。

 

「水汲み」は大東亜戦争で亡くなった若者が、中国大陸で書いた詩です。

 

田辺利宏の詩「水汲み」

 

「北の春」も「水汲み」も、無条件の生命肯定、自然賛歌をうたいあげています。

 

しかし、「水汲み」を読む時、作者が戦没したという知識があるので、生命の歓びを、どうしても「死」と対比してしまいます。

 

対比することで、より鮮明な生命の輝きを感じるとれるのです。

 

では、「北の春」はどうか。

 

そこには「死」の影はありません。生命の輝きには、一点の曇りもありません。

 

詩の最終行は極めて大事なのですが、丸山薫は以下のように最後の連を描いています。

 

朝早く授業の始めに

一人の女の子が手を挙げた

――先生 燕がきました

 

女の子が「燕がきました」と、うれしい気持ちを無邪気に表白するエンディング。

 

この終え方こそが、この「北の春」の生命エネルギーが無限であることを、明るく告げているのです。

 

春が来た、そして来年も、再来年も、厳しい冬の次には春が来る。

 

時は流れるのではなく、巡るのである。季節も、永久に回帰し続ける。

 

たくましい自然の生命力を、技巧に走らず、まっすぐに描出したところに、この詩「北の春」の真の価値があるのだと思います。

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